Archive for 4月, 2012

朝焼けの森

   先週まで長靴で渡っていた沢が、雪解けで増水し、土砂を巻き込み暴れるように流れている。岸の所々に、吹き溜まりで積もった雪が1mほど残っている。今季の雪の多さの証だ。何とか渡れそうだが、足をとられて転んでしまいそうだと […]

夏坊主

   クマイ笹や枯れたヨモギ、オオハンゴンソウが行く手を阻む中、歩きやすい場所を見つけながら、エゾクロテンの家に向かう。足元には夏坊主(ナニワズ)がかわいらしく黄色い花をつけている。夏に葉を落すのでこの名がついたようだ。 […]

北帰行

   観察小屋の雪が解けだし、ぬかるんでペグがすぐ抜けてしまうので、太い折れた枝を拾い集めていたら、上空をクワークワーと鳴きながら飛んで行くオオハクチョウの群れが通過した。手を振って見送ると最後尾右の鳥が首を傾げて見てく […]

お客さんが来たようだ

   観察小屋に着くと、先客が来ていたようだ。足跡から推理すると、かんじきを履いたままの大股歩きだ。解けている雪の感じからすると、午前中だな。歩幅から見ると若者だろう。アイゼンの爪が雪に刺さっているのが見てとれる。  小 […]

カムイミンタラを望む

   大きなカツラの木からエゾシカの群れの足跡をたどる。歩きやすいがずいぶん遠回りしてしまい、雨の降りそうな雲が出てきて、辺りは暗くなり出した。再び見晴らしの良い稜線に出ると、雲の隙間から、大雪山の山並が現れた。アイヌ民 […]

感謝を伝える

尾根を越えると、小僧来たかと、圧等される大きな木がそびえ立つ。カツラの木だ。直径1.5メートル見上げつと高さ30メートルはありそうだ。冬芽が赤くなり甘い香りが漂ってくる。この赤は、ヤナギの花の黄緑と、森の中に色を添え、春 […]

急げば回れ

  沢を登りきり平らな稜線に出た。霧が去り日が射してきた。冬の間、吹き上げる風が多くの雪を運んで、一面まだ雪に覆われている。かんじきを履いてきたが、ここは山スキーが快適に行動できる場所だが、脚立を担いでいるので […]

ほっと一息

  森の中はこのところの暖かさで雪解けが進んでいる。特に南斜面は笹が行く手を阻んでいるのが見てとれる。沢行きは危険だが、最短で目的地に行ける。安全に行くなら笹こぎ藪こぎを強いられ、顔や腕など、出しているところは […]

救命処置の準備

  雪解けが進み、沢が増水してあふれ出し、池のようになっている。そんな中をスイスイ泳ぐエゾクロテン?体色は今時期の薄いベージュ色、体格、耳の形もそっくりだが、濡れているせいか目と鼻が違うようにも見える。サルも木から落ちる […]

給水

   沢から枝分かれしている大小の支流は、まだ雪に覆われながらも雪解水の流れる音を響かせ、ところどころに開いた大きな穴から水面が見える。この時期の必需品の折りたたみ式脚立。足元の雪の下から水の流れる音が聞こえる場所に橋を […]