カムイミンタラを望む

   大きなカツラの木からエゾシカの群れの足跡をたどる。歩きやすいがずいぶん遠回りしてしまい、雨の降りそうな雲が出てきて、辺りは暗くなり出した。再び見晴らしの良い稜線に出ると、雲の隙間から、大雪山の山並が現れた。アイヌ民族の人々は大雪山連峰を親しみと畏敬の念をこめてカムイミンタラと呼んだ。北海道の中央部に位置し、陸域では日本最大の国立公園だ。
ここの下りの先はモモンガの観察小屋だ。山並みを眺めながらほっと一息入れると、小鳥のさえずりや沢の流れる心地よい音が聞こえてくる。

 

 

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