Archive for 2月, 2012

笑う冬将軍

  このところ続いた寒波と嵐がやんだ。冬将軍も疲れて一休みか、今日は雪がちらつく程度の静かな天気だ。 生き物達の足跡がはっきりと残っている。 エゾクロテンの足跡をたどり、行動範囲を調べて歩き回る。夕方になったので、稜線に […]

どんなときでも安全確認

    一休みしていると、目の前の雪面が野球のボールぐらいの大きさで風船のように盛り上がってきた。見る間にしぼんでいき穴が開いたと思うと、再び盛り上がってきて動かなくなった。そこには黒い点が3個ついている。  なにやら点 […]

調子にのりすぎた

内陸の山の中に、海鷲と呼ばれている1羽のオオワシがやって来た。食べ物はハンターに駆除された、エゾシカの残り物の肉。先に見つけて権利を主張する、10羽ほどのハシボソガラスの群れ。1羽ではかなわないので、シカ肉の件で言い争っ […]

へっちゃらすいすい

暮れ始めた森の中。ラジオの周波数を合わせていると、明日は大雪、暴風、波浪、着氷警報と、やさしくささやく女性アナウンサー。雪女のささやく声に聞こえ、そら恐ろしくなった。 高い場所に3cm幅のロープを渡したような蔓の上を、エ […]

もっこり積もった雪の中から

吹雪や闇夜などで視界が利かないときに、迷子にならないように、ミズナラやカツラなどの、大きな木を目印にして森に入っている。 身長の倍はある高さの、大きく張り出した枝をくぐりぬけて通るたびに、手が届く高さになってきた。 今季 […]

大事に抱えた食べ物

昨日は低気圧が通過してひどい嵐だった。夕方小枝が折れて散乱する森に入る。エゾモモンガの観察小屋に着くと、すでにハンノキにやってきていた。天敵の多いエゾモモンガたちは、危険をおかして地上に降りて雪の上を動き回ってる。生涯木 […]

誕生祝いを考えながら

今日は朝からとてもよい天気。夕方エゾモモンがの、ご機嫌を見に行くことにした。途中、沢の雪が盛り上がっている所に、キタキツネが寝そべって毛繕いをしていた。近くにマイホームがあるはず、子供たちが生まれるのも近いはずだ。 西の […]

のぞき常習はん

のぞき専用窓から、クマタカのプライバシーをひそかに見る。ばれても犯罪行為にならないのが、野性の世界だ。 クマタカの狩はじっとチャンスを待ち、集中することにすべてをかける。 のぞき小屋に持ってきたフルコースのおやつに集中し […]

うなる腕がすぐ止まる

吹雪がやんだ朝の森の中には、キツネの足跡だけしか見当たらない。ほかのみんなは何処へ行ったのだろうか。 と思いながら観察小屋に向かう。 観察小屋に着くと、風の抵抗の少ない東側の面を覆い隠すように雪に埋もれていた。 出入りは […]

暴風雪の怒り

  自然は時にやさしく、ときに厳しく試練を与えてくる。穏やかにみえた午前8時頃、手の裏を返したように急変した。 暴、風、雪と3神の登場だ。まともに見ることが出来ない。 若気のいたりで、過去に漁師の玄関先にたくさん干してあ […]