Archive for 7月, 2012

おすすめ新メニュー

   快晴の寒い朝。かじかむ手をこすりながら朝ごはん。メニューは、インスタントラーメンの中に、硬くなった行動食の粒あん大福と、野菜が少ないのでヨモギ大福を入れた豪華版・・・!東の稜線から日が昇ってきた。朝露に覆われた地面 […]

踊るように

  起伏に富んだ道が続く。ようやく稜線に出て風に当たると、汗があっという間に引いてゆく。腰をおろして一服した横に、淡い水色の花が咲いていた。イワギキョウだ。似た花に、花冠にうぶ毛を生やしたチシマギキョウがある。 […]

見ると奇怪、不思議、可愛い

   ゲゲゲ・・・なんだ!・・奇怪なこの生き物は。宇宙からやってきた生物か。その正体は、食虫植物の仲間の毛氈苔だ。見るからに怪しい姿。粘る液で捕えた虫を溶かして、栄養を吸い取る不思議な植物。栄養分の乏しい環境に適応してい […]

寒い朝

   午前3時。涼しいと言うよりは寒い。真夏も防寒着が必要な大雪山。無風快晴の夜空に、銀河の渦が帯状に空を横切る。ゆっくりと飛んで行くのは、何処の国の人工衛星だろう。役目を終えた人工衛星が、地球の周りにゴミの山になってい […]

紅紫色のじゅうたん

   霧が立ちこめて行く手が見えない。と言うより、回りが全て霧だ。肌を出しているところが冷たく感じられ、腕の細かい毛に小さな水滴が沢山着いている。  風が出て来て、さぁっと霧が晴れる。再び歩き始めると、紅紫色のじゅうたん […]

タイムトンネル

     行く手に小さく見えていた雪渓が、近づくにつれ、スキーの上手い人なら滑って楽しむことが出来ると思われるほど大きくなった。トラバース気味に下っていくと、ぽっかりと大きな雪のトンネルが口を空けている。中では、しぶきを […]

松の廊下

   ハイマツ帯に入ると、回りの景色がほとんど見えない。ずいぶん長く歩いているように思えてくる。足元に張り出す根に足をとられるので、なおさら回りを見る余裕がなくなる松の廊下。殿中でござるは疲れるな・・・ようやく開けた場所 […]

楽あれば苦あり

     歩きやすい平らな道を、景色を楽しみながら暫く歩いて行く。登りにかかると、雨や雪渓の水がたまっていて、ぬかるみ・すべり・転ぶの三拍子…。へこむ気持ちを救ってくれるように、チングルマが咲いている。中には、もう花が散 […]

天空の沼

   高度を上げていくと、ハイマツ越しに大小、たくさんの沼が見えてきた。溶岩台地に枯死した植物が、低温のため腐らず泥炭化して、長い時を経て積もった中に沼が出来たのだ。足を止め眺めていると、汗が噴き出す。  風が吹き渡り、 […]

身のこなしは軽やか

   大雪山の夏は短い。溶岩の岩場を忙しく飛び回るエゾシマリス。キツネ、クロテン、オコジョ、空からはハシボソガラス、猛禽類と天敵が多いリスたちは、身軽に動き回ることで身を守る。落ち着きが無いように見えるが、大事な行動なの […]