紅紫色のじゅうたん

 

 霧が立ちこめて行く手が見えない。と言うより、回りが全て霧だ。肌を出しているところが冷たく感じられ、腕の細かい毛に小さな水滴が沢山着いている。
 風が出て来て、さぁっと霧が晴れる。再び歩き始めると、紅紫色のじゅうたんが敷き詰められたような場所に出た。エゾノツガザクラの群落だ。祝い事のレッドカーペットの上を歩いているようで、何やら晴れがましい。
顔を近づけて花を観察。 この玉のような花の先は1ミリほどの穴が開いているだけだ。いったい誰が受粉するのだろう。と思っていたらブーンと高速回転する羽音が聞こえてきた・・・

 

 

 

 

 

 

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