給水

   沢から枝分かれしている大小の支流は、まだ雪に覆われながらも雪解水の流れる音を響かせ、ところどころに開いた大きな穴から水面が見える。この時期の必需品の折りたたみ式脚立。足元の雪の下から水の流れる音が聞こえる場所に橋を渡しながら進んでいく。最初は慎重に渡っていたが、慣れてくるうちに手抜きをして体が抜け落ちた。脚立につかまりようよう這い上がり、泥まみれ状態に深く反省する。
 浅く小さな流れのところで泥を落として一休み。手を洗おうと沢を覗くと、淡い緑色のフキノトウが芽吹いている。お茶を取り出し一服する。沢の音と小鳥達の囀り。
 そこへエゾクロテンがやって来て水を飲み始めた。厳冬期には。雪を食べて給水しているのをよく見かけた。エゾクロテンはよく飲むほうだ。私も温泉に入ってビールで給水しょっと。

 

 

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