Archive for 6月, 2012

輝く命

   午前3時半頃、明るくなりだした森の中。少し開けた場所に出た。エゾシカの群れが食事中だ。警戒して白いお尻を向けて、今にも逃げそうな雰囲気だ。じっとしてその場に立ち尽くしいると、気にしながらも再び野草を食べ始めた。その […]

好奇心

 早朝。倒木に座り思いっきり深呼吸をすると、冷気が咽喉に流れ込み、体の中に染み渡っていく。寒くて吸血虫達が出てこないので快適だ。抱卵中の小鳥達も、縄張りに入るよそ者を威嚇する以外、鳴かないので静だ。突然エゾシカがキャーッ […]

互いに晩御飯

   日中も気温が上がらず寒い一日。日が落ちるとさらに寒くなった。明日は霜が降りるかもしれない。晩飯の支度のため、ガスストーブをつけるが、寒くて火力が弱い。冬に使うプレヒートを装着した。  お湯の沸くのを待っていると、水 […]

見つけた

   森はエゾハルゼミの大合唱で盛り上がり、よほど大きな音がしないと聞こえないほどだ。夕方涼しくなりだすと、今まで鳴いていたセミたちが、軋むドアのように鳴きやみ始めた。静かになった森の中は、小鳥達や沢の音が聞こえてきた。 […]

横になって食べていると

   小さな積乱雲が複数、青空の中に湧き出している。中には形が、ウサギからクマへと変る雲を眺めながら楽しんでいると。ゴロゴロゴロと雷が鳴り、強い風が吹き大粒の雨が降ってきた。緊急用雨具、折り畳み傘の出番となる。雨はすぐや […]

すっかり夏毛

   黄色い花をつけた、八重山吹 (やえやまぶき)。北海道から九州まで分布し、 弥芽吹く木(いやめぶくきと呼ばれていたが、冬には葉を落とし、春いちはやく芽を出すので、「ヤメブキ」 ⇒ 「ヤマブキ」 と、変化したと言われて […]

すごい爪だ

  沢に濃い霧が立ち込めて来る。大きな影が、沢に下りていった。その場所の近くへ行くと、山ハンノキの幹の両側に、羆の真新しい爪跡がついている。削り捕られた表皮から、樹液がにじんでる。腕を伸ばし、比べてみる。爪跡が […]

雷が鳴る中

   楽しみにしていた日食、月食とも天気に恵まれず、見ることができなかったが、宇宙の天体ショーは寸分の狂いもなく行われている。今日、太陽を金星が通過するのを双眼鏡を駆使して見た。  午後には雷雨になった。そのニュースで盛 […]

雫の中に

   夕方、晴れていた空がかき曇り、ゴロゴロと鳴り出した。その音に混じって、クマゲラの声が一瞬聞こえたような気がした。と思う間も無く、突然、雨が落ちて来る。通り雨のようだ。こんなときは折りたたみの傘が都合がいい。ヨシの葉 […]

羽の日干し

   このところ天気がよく、虫達が元気に活動している。吸血虫に藪蚊が加わり、にぎやかになった。イタヤカエデの葉が不規則に舞い落ちてくる。幼虫達が一生懸命に食べて、茎が切られたのだろう。その虫達を、捕まえて、せっせと雛に運 […]