見つけた

   森はエゾハルゼミの大合唱で盛り上がり、よほど大きな音がしないと聞こえないほどだ。夕方涼しくなりだすと、今まで鳴いていたセミたちが、軋むドアのように鳴きやみ始めた。静かになった森の中は、小鳥達や沢の音が聞こえてきた。日が沈み、キョッキョッキョーと近くのハンノキから、喉を詰まらせながらへたくそな鳴き声が聞こえてきた。コノハズクだ。声の方を、くまなく見てみるが、見つからない。わずかに動く折れた枝。見つけたぞコノハズク。北海道には繁殖にやって来る渡り鳥。全長20cmと手の平サイズ。フクロウ目では最小で、頭部には小さい外耳のように見える羽毛(羽角)がある。瞳はシマフクロウと同じ黄色だ。

 

 

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