Archive for 5月, 2012

甘える

  キタキツネの棲家に来て見ると、すでに授乳が終わり子ギツネ達が親にじゃれて、おもいっきり甘えている。母ギツネが全ての子供達に、愛情をそそぎあやしている。そろそろ引越しの時期かな。少しづつ縄張の端へと移って行く。これから […]

迷う

  キタキツネの住まいに向かうが、寄り道をして来たので迷ったようだ。この辺りのはずだが、シラカバやヤナギの若葉が芽吹き、景色が変って目印のミズナラの木が見つからない。とりあえず沢に出れば分かるかも知れない。水の流れる音の […]

朝の食卓は忙しい

   午前3時。東の空がほんのり明るくなりだした。ヘッドランプを照らし、足元に注意しながらキタキツネの住まいの様子を見に行く。徐々に明るくなり回りの様子が見えてきた。小鳥達の囀る声が聞こえる。  雪が解けたばかりの場所に […]

高度を上げる

  気温は低いが天気が良い。ウグイスが渾身の力をこめて囀っている。息があがり、酸欠気味の体に力をくれる。気合だホ~ツケッキャーーと。。沢を詰めて稜線に出ると、大雪山のカムイミンタラが目の前に広がる。ここの蝦夷山桜はまだつ […]

白い堅香子

  北東斜面は、まだ多く雪が残るが、解けたところにはフクジュソウ、エゾエンゴサク、カタクリ、ヤチブキ、ザゼンソウ、ミズバショウなどが咲き、森はようやく春を迎えた。ぬかるみを避けながら歩いていると、足元に白いカタクリの花が […]

春ふる雪

   今日は、冬の寒さより寒く感じる。吐く息が白い煙になって、森の中に吸い込まれていく。雪がちらつき始めた。木々の新緑は芽吹きを止めじっとしている。風がないので綿のように振ってくるが、地面に降りると消えてしまう。雪が止み […]

遊びが勉強

   キタキツネの住まいに行ってみた。子供達は、ねずみ色の産毛がぬけて、子犬のようなしぐさから、キツネ顔になっていた。1頭の子ギツネが、親が持ってきたネズミにじゃれつている。残りの子ギツネ達も仲間に加わる。遊びが狩の勉強 […]

さくら咲く

   昨年より10日ほど早く蝦夷山桜が咲き出した。早朝、淡い紫に見えていた桜が、朝日が射すとともにあらゆるピンクのグラデーションに染まるのを、一度に見られるのは感動ものだ。しかも北辛夷の花と競うように咲いて、森の中は一層 […]

運動会でびりだったが

  森に向かう途中、林道の脇に牧草地がある。何やらモコモコのしろっぽいセーターを着たような生き物が、芽生え始めた牧草を美味しそうに食べている。冬毛が抜け換わる途中のエゾユキウサギだ。  近づいても逃げようとしないのは、よ […]

降りしきる雨の森

   朝から雨だ。濡れて浮いている枯れ草の上に乗ると、ズルリとすべり、股割り状態になることしばしば。こんな日でも生き物達は文句もいわず、生活している。巧みな身のさばききで、エゾリスが濡れ鼠でやって来た。別名キネズミと呼ぶ […]