‘風景など’ Archive

天空の沼

   高度を上げていくと、ハイマツ越しに大小、たくさんの沼が見えてきた。溶岩台地に枯死した植物が、低温のため腐らず泥炭化して、長い時を経て積もった中に沼が出来たのだ。足を止め眺めていると、汗が噴き出す。  風が吹き渡り、 […]

ボーと見る

   満天の星空が白みはじめて、次々に星が消えていく。明るくなるにつれ、回りの様子が見えてきた。雲が徐々に沢を埋め尽くしていく。東の空が明るくなりだし、全てが紫色に染まりだすと、気温が下がって寒くなってきた。撮影はインタ […]

カムイミンタラを望む

   大きなカツラの木からエゾシカの群れの足跡をたどる。歩きやすいがずいぶん遠回りしてしまい、雨の降りそうな雲が出てきて、辺りは暗くなり出した。再び見晴らしの良い稜線に出ると、雲の隙間から、大雪山の山並が現れた。アイヌ民 […]

感謝を伝える

尾根を越えると、小僧来たかと、圧等される大きな木がそびえ立つ。カツラの木だ。直径1.5メートル見上げつと高さ30メートルはありそうだ。冬芽が赤くなり甘い香りが漂ってくる。この赤は、ヤナギの花の黄緑と、森の中に色を添え、春 […]

急げば回れ

  沢を登りきり平らな稜線に出た。霧が去り日が射してきた。冬の間、吹き上げる風が多くの雪を運んで、一面まだ雪に覆われている。かんじきを履いてきたが、ここは山スキーが快適に行動できる場所だが、脚立を担いでいるので […]

ほっと一息

  森の中はこのところの暖かさで雪解けが進んでいる。特に南斜面は笹が行く手を阻んでいるのが見てとれる。沢行きは危険だが、最短で目的地に行ける。安全に行くなら笹こぎ藪こぎを強いられ、顔や腕など、出しているところは […]

催眠効果

小雨の中、増水した沢を横目に歩いていると、雪崩れに巻き込まれたのかトドマツ、ダケカンバ、ハンノキなどの木が折り重なり沢に倒れ込んで、行く手を阻んでいる。激しく流れる岸に下りてみると、大きな溜まりの中を木屑が時計回りにぐる […]

夜の生き物たちが眠りにつくとき

   東の空が紫に染まりだした。最低気温-10.5℃とまだ二桁だ。日が昇ると、赤い光線が雪面を這うように染めていく。しばれついた山の木々が黄金色に輝きだす。夜行性の生き物たちと、昼間活動する生き物たちの交代時間がやって来 […]

笑う冬将軍

  このところ続いた寒波と嵐がやんだ。冬将軍も疲れて一休みか、今日は雪がちらつく程度の静かな天気だ。 生き物達の足跡がはっきりと残っている。 エゾクロテンの足跡をたどり、行動範囲を調べて歩き回る。夕方になったので、稜線に […]

暴風雪の怒り

  自然は時にやさしく、ときに厳しく試練を与えてくる。穏やかにみえた午前8時頃、手の裏を返したように急変した。 暴、風、雪と3神の登場だ。まともに見ることが出来ない。 若気のいたりで、過去に漁師の玄関先にたくさん干してあ […]