飢えをしのぐ

   吹雪となった翌朝、ようやく晴れ間が覗く。森に入ると、吹きだまりで波打つように積もった雪の上を餌を探して走り回るエゾリスがいた。秋に貯めておいたクルミがなかなか見つからないようだ。場所がわかっても深く積もった雪で掘り出すのも大変だ。
 公園などで餌付けされたエゾリスたちは、お相撲さんのように腹回りに貫禄をつけてドスコイ状態。天敵が見たらご馳走だ。
 いつの間にかカラマツの枝に上り、マツカサを咥えて食べ始めた。すでに種子を放出した後で、とても栄養があるとは思えないが、とにかく食べることで命を繋ぐ。

 

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