クリスマスイブの朝

明け方のピーンと張り詰めた空気。たぶん、今季最低気温だろう。水場からは、けあらしが、温泉の湯煙のように立ち昇っている。吐く息も顔にまとわりついていたが、それも寒さに剥がされていく。真深にかぶった毛糸の帽子のふちに、結晶がしがみつき、寒いと痛いが交互にほっぺたに伝わる。
 陽が当たり始めたところに、星が瞬くように光の粉が舞い始めた。大気の水分が凍ってきたのだ。日が上がるに従い輝きを増し、聖母像のような姿が現れたと思ったら、吹き始めた風が散り散りに光を消してしまった。

 

 

 

 

 

 

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