命の尽きるまで

   昨夜からの冷たい雨が上がった。鮭の上がる、流れの急なところまで降りる。あたりは明るくなり始め、しぶきを上げて溯る鮭が見えて来た。
 やがて雲のわずかな隙間から、光が差し込んできた。朝日に照らされたブナの模様が、しなりながら飛び跳ねる。ぼろぼろになりながら、子孫を残すためにひたすら、命が尽きるまで上流を目指す。毎年見る感動のシーンに元気をもらう。鮭を食べるときは、皮まで食べないと罰当たり。

 

 

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