オコジョ

   涼を求めてやって来た標高の高い湖。せっかく来たのだから、ナキウサギの生息している場所に寄っていく事にした。午前5時。寒いのでダウンジャケットをはおり、朝焼けの中をガレ場へ向かう。笹や下草の露で、股下まで、おしっこを漏らしたように、びしょびしょだ。動いているせいもあり、蒸して熱くなり汗が吹きだす。沢から風がやってきた。汗をはがしながら通り過ぎていくので気持ちがいい。岩場にたどり着く。座り心地のよさそうな岩に座り一休み。と岩の間から首の長いネズミが現れた。まじまじと私を見て、観察している。じっとしていると、さらに近寄ってくる。好奇心の強い生き物だ。足元を通り抜けて、忙しそうに岩の間に入ったり出たりしながら、行ってしまった。しばらくすると、お目当てのナキウサギの鳴く声が聞こえてきた。

 

 

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