きみは大きな存在

   真夏日から抜け出せないが、明け方は寒い。コオロギやキリギリス達などの鳴き声を聞きながら歩くと、秋の気配に満たされる。30分程歩くと、木々の隙間から、湖畔と思われる場所が、霧に包まれている。風もないのに、後ろで笹や野草のすれる音が聞こえる。振り返ると、ゆっくりと歩く、大きな生き物が現れた。私が通り過ぎるのを、待っていたようだ。やはり出会うと、存在感の大きさに緊張する。

 

 

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