毒は美味しい?

   エゾトリカブトの青紫色の綺麗な花が咲き始めた。古来の烏帽子に似ていることや、鶏の鶏冠(とさか)に似ているかぶりものから名前がついたようだ。
 芽吹きの頃にはセリ、ニリンソウ、ヨモギ等と似ているため、誤食により、死者も出るほどの強い毒だ。花粉や蜜にも毒があるため、養蜂家はトリカブトが自生している所では、蜂蜜の採集を避けると聞く。
 
 アイヌの人たちは、このトリカブトを塗布した仕掛け弓で、ヒグマやエゾシカを捕らえたようだ。矢の刺さった所の周囲の肉をえぐり取って、中毒事故が起こらないようにしていた。
 トリカブトも種を守るために、美味しい蜜で虫を誘い受粉してもらう。眺めていると、マルハナバチや蝶は何事もないかのように花を出入りしている。

 

 

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