火の壷

  大気が不安定で、激しく降る雨も、ようやく止んみ、青空が出始めた早朝。雲が紅色に染まりだし、稜線から日が昇り始めた。大気の密度や温度差でゆらゆら揺れながら、次第に色を変えていく太陽。まるで窯で焼かれている壷のように、次第に輝きを増して直視できなくなった。雨の闇から開放された草木の雫が光り出す。朝飯の用意をはじめるか。と言っても、レトルト食品をお湯で温めるだけだ。

 

 

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