キチィッピリリリリ

 

   標高1000mを越すと、空気がひんやりと感じられる。山並みをなめるように流れていく霧に、下界の町並みや風景が見え隠れする。雲の真っ只中に入っているらしい。
 頭の上の岩で、キチィッピリリリリと鳴く声が聞こえてきた。氷河期の遺存種といわれるナキウサギだ。再びキチィッキチィッと甲高い良く通る声で鳴き出した。生息しているのは大雪山系、北見山地、夕張山地、日高山脈など。真夏でも涼しい、ガレ場の風穴(ふうけつ)のすき間を利用して生活している。

 

 

Leave a Reply