越冬蝶

   このところの暖かさで雪が解け出した南斜面では、腐葉土面やクマイ笹が顔を出し始めた。日陰や東斜面はまだまだ多くの雪が残って、巨大な雪庇が大きくひび割れして、今にも落ちてきそうだ。今季の雪の多さが残る沢の斜面で、エルタテハが雪の上を飛び回っていた。翅を閉じると後翅にLのマークが見えることから、この蝶の名前の由来だ。
夏標高の高い場所でよく見られる。秋に低地に降りて冬を越すので、身近にエルタテハが見られるのは早春だ。雪面に降りて、時折さす陽に体温を上げようと翅をひろげた。翅は欠けて鱗粉も色落ちているが、元気に雪の上を飛び回る。色の少ない景色の中にひときわ映える。

 

 

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