May Storm

   

  聞きなれた台風、サイクロン、ハリケーンなどは知られているが。  May Storm メイストームもこの時期に猛威をふるう。その名の通り4月後半から5月にかけて、主に温帯低気圧の急速な発達により大風が吹く気象現象のことを言うが、今季は4月始めになって、このような低気圧の発達が見られることは少ないと、記憶するが、どうだろう。
この言葉の語源となったのは1954年5月9日から5月10日にかけて北日本近海で急激に発達し、漁船の集団遭難をもたらした低気圧である。華北から日本海に進んできたこの低気圧は、9日9時には988hPaであったが翌10日9時には北海道東方に出て952hPaまで発達した。このため北海道周辺海域では風速15~30メートルの暴風となり、ちょうどサケ・マス漁の時期であったため多くの漁船が出漁中で、361人が犠牲になった。1956年においては台風3号が、変わった熱帯低気圧によってメイストームが発生した。2011年においては、台風1号および台風2号や台風から変わった熱帯低気圧や温帯低気圧によって、メイストームが発生した。
42年前、私が稚内に住んでいた頃、同じような吹雪を経験した事がある。ソビエトと冷戦時代、米軍のレーダードームが壊れれて、騒いだ記憶がある。

観察小屋が心配になり、吹雪の中、様子を見にいくと、骨組を止めてあるペグが2本抜けて、白いシートが妖怪・一反もめんのように揺れている。早速小屋を建って直し、時刻を見るとモモンガのやってくる時間になっていた。 森の中では、木々が風を受け止めてくれているが、横殴りの雪が降ったり止んだり。

そんな中をモモンガがやって来た。

以前何度か 「うそだろつー!!こんな日にモモンガが出てくるわけないべやーアッハハガッハハ」と言われた。
今でも耳に残る声を、風の音が消してくれた。生き物達を厳しい環境で観察をしたことがないのだと、よく理解できた。
エゾモモンガがヤチハンノキの花穂を咥え、折れた枝の上で食べ始める。湿った雪が幹とモモンガを覆い隠して行く。

 

 

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