心は熱くもえあがる

 強者どもの夢の跡。暴風雪波浪警報解除の翌日。雪が20cm ほど積もり、日中の気温も-5℃と真冬日だ。風が吹くたびに枝に積もった雪が、さらさらと流れるように落ちてくる。沢に入ると、急斜面では堅雪の上に積もった新雪が所々雪崩れていて、かんじきをはいていても脛まで潜り込む。ひと汗かきながらもう少し行くと、よく休む大きな岩の隙間に先客がいた。じっとこっちを見ているエゾクロテン。キリッと締まった見かけない顔だ。
 この時期、森の生き物達は恋の季節を迎えるため、遠くからやってくるものが多い。心は熱く、胸の色が燃え上がる炎ように見えてまわりの雪を解かしそうだ。アーチチ、アーチチという歌があったな。

 

 

 

 

 

 

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