春分の日  宴もたけなわ

 

    二日にわたる冬将軍の宴がつづき、歌えや踊れの大盛り上がり。そんな中、モモンガの観察小屋の様子を見に行った。小屋は無事だったが、出入り口の雪を除けて中の様子を見る。折りたたみ椅子よし、ロープよし、チューブ紐よし。あれ、予備の手袋が無い。へんだなーと思いつつ、中に吹き込んだ雪を片付けてお茶にする。
 中は風雪を防ぎ快適だ。モモンガの観察をしている人たちに、「吹雪の日はモモンガは出てこないよ」と言われたことがある。2日続きの猛吹雪に、モモンガはお腹がすかないのか。小屋で様子を見ることにする。
 午後5時30分を回った。外は相変わらずの吹雪だ。小屋を出て、いつもモモンガのやってくるヤチハンノキの見える場所に立つ。辺りが暗くなるにつれ、降り続く雪も見えなくなったが、見上げる顔に降りかかっては溶けて行く感触がある。
 ねぐらからヤチハンノキまでの中継点となる、カラマツの木を上っていく小さな影が見えた。と思う間もなく、モモンガがヤチハンノキに向かって飛んで来た。「吹雪なんか平気だよー」と言うかのように、見事に着木。スルスルと梢に上がり、花穂を食べ始めた。

 

 

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