風のように飛ぶ

  星が少しづつ消えて東の空が明るくなり始めた。森の中は寒さで雪がしまり、歩きやすい。
沢沿いに進んで行くと、きのうの昼間の暖かさで沢の東斜面の雪庇が大きく崩れていた。雪の壁を乗り越えて更に進む。
 頭の上にピンポン玉が跳ねるように、雪玉がばらばら音を立てて落ちてくる。ひょっとすると雪庇が崩れるかもしれないと思い逃げようとしたとき、目の前を黒い影が雪をひきつれ、風のように飛んでいった。 ボケーとあいた口に雪玉コロリン~

 
   

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