旅立つ


コハクチョウがゆっくりと泳ぎながら横並びになり鳴き始めた。1羽が走り出すと次々に後に続く。羽ばたく音が力強く聞こえて来る。水を蹴っていた足が水面から離れた。現在地と方向を確認するようにダム湖の上を何度か旋回し、北の稜線を越して行った。鳴き声も次第に小さくなり、やがて聞こえなくなった。湖畔は何も無かったように静かになった。秋にまたやって来る時には、子供を連れていることだろう。

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